• 第１部　算数で育みたい「全体での多様性」VS「個の中の多様性」

講師：池田 敏和先生（横浜国立大学教授）

　現代社会は不確実で未来が見えにくい時代ですが、そんな中で「多様性」に注目すべき理由を考えます。本講演では、この問いからスタートし、「クラス全体での多様性」と「個の中の多様性」の二つの視点を踏まえ、算数の授業をどのように展開すれば、子どもたちが多様性を生かす力を持った社会人として成長できるかについて、具体例を交えて考えていきます。

第２部　多様性を意識し、生かす授業づくり

講師：細水 保宏先生（明星学苑　明星大学客員教授兼明星小学校校長）

　教材が持つ多様な見方・考え方を生かした算数授業は、個々の多様性を表出する場を生み出し、多様性を認める力を育てることができます。発想の源を問い返したり、考えた経緯を聞き合ったり、説明する相手を意識させて発表させたり、個々の動きに適切な価値づけをしたり、といったちょっとした工夫で個々の多様性を認め、豊かな心を育んでいくことができると考えています。

第３部　「違いを編む『知性』」を育む算数授業

講師：盛山 隆雄先生（筑波大学附属小学校教諭）

　現在、筑波大学附属小学校では、「違いを編む『知性』」の研究をしています。その研究では、まず算数科で育てたい「知性」を考えました。そして、その「知性」を育てるために、多様な考え（違い）を編むことが大切だと考え、実践的に研究を継続しています。本校の研究の中で、今回のテーマである「多様性を生かす算数授業づくり」と関連する部分についてお話させていただきます。